黄塵に新車試走の視野翳る   青果

鳥帰るV字をしおにカメラ置く   雅彦

職を去る感慨抱き月朧   真帆

山襞の膨らみ日毎新芽立つ   楊花

鳥帰る思郷膨らむ空の色   梅香

廃線の危機背負うバス春埃   紀歩

満潮の海光眩し夏隣   相月

余寒風鈍き災地の重機音   花楓

この土地に住みて幾年雪掻きす   紫芳

春風と校門くぐるランドセル   葉子

名園の老幹に噴く桜の芽   希瑛

花篝すれちがう人艶めきて   毬衣

黄砂降る放牧牛の目の虚ろ   葉苗

ものの芽の生命再び被災の地   野乃花

霜柱更地の増えし村寂れ   瑞木

地震の故郷(さと)錆びる鉄路に土筆群る   千鈴

混沌の政界憂い雪霏霏と   國子

葛湯手に独り居の夜をしみじみと   弘美

宙を舞うボートの軌跡冬麗ら   藍

侘助の纏う静寂薄明かり   直子

投稿者

kotetsu

蟻塔会同人

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