令和5年4月6・7日、赤穂市赤穂ハイツに於て蟻塔会全国俳句大会が開催され、大分市、金沢市、横浜市、伊賀市、京都市、姫路市、赤穂市、相生市等から句友が集った。
塩田里美先生の第三代主宰就任祝賀式典が行われた後、兼題「春の風」「蕗の薹」の特選・秀逸・佳作が披講され、主宰より特選3句・秀逸10句について選評が行われた。
特選
惜別の学舎潤みし春風裡 花楓(加古川)
春風に触れて万象彩を生む 桂花(伊賀)
大地より鼓動の息吹蕗の薹 富貴(横浜)
秀逸
春の風キッチンカーのパン香る 相月(相生)
疫病の鎮まりし街春の風 巴(金沢)
万象の大地の目覚め春の風 万知(姫路)
胸を張り球児行進春の風 圭子(豊中)
万象に命吹き込む春の風 紅蓼(赤穂)
狭庭にも大地の恵み蕗の薹 和子(金沢)
災禍の地再び檯ぐ蕗の薹 紀歩(伊賀)
トロッコの再開近し蕗の薹 照葉(奈良)
蕗の薹独りの余生ほろ苦し 桜寿(豊中)
廃村の日溜まり占める蕗の薹 毬衣(厚木)
兼題の特選・秀逸・佳作の賞状授与の後、令和2年度、3年度、4年度の最高同人・同人の認定証の授与、令和3年度、4年度の蟻塔賞(河野照葉・山森桂花)の授与、俳号授与が晴れやかに行われた。
最後に主宰から、コロナ禍のため開催されなかった全国俳句大会が四年ぶりに担当支部である赤穂支部・姫路支部のご尽力によって有意義に、和やかに開催されたことへの謝意が述べられた。
また、大会に出席した全会員には「俳誌『蟻乃塔』の俳句への誘い【道しるべ】(塩田里美編著)」が記念品として贈呈された。
集合写真を撮った後、夕食を兼ねた懇親会が行われ、各句会や支部が誰でも歌える曲の替え歌を歌って楽しい一刻をすごした。その後、幹部会と併起して二次句会が行われ、それぞれ夜の更けるまで充実した一日を過ごした。
二日目は幹部会、二次句会の結果が報告され、来年度の担当支部の横浜支部長より試案が発表された。来年の全国俳句大会を楽しみにしつつ閉会した。