波の花復興未だき浜の黙 青果
茶屋街の格子戸零る春灯し 雅彦
新しき帯に気を締む着衣始め 真帆
仕来りを携帯に載せ年用意 楊花
隣国の間を覆う寒の雲 梅香
古障子破る子もなき里の家 紀歩
朝市の思い出綴る洲浜草 相月
初詣で絵馬の天馬に夢託す 花楓
句に生きる心高めて年迎う 紫芳
義士会の士魂を醒ます陣太鼓 琴音
極月の面影偲ぶ喪の葉書 柊花
故郷へ膝掛け抱く深夜バス 瑞木
新雪の積もる音無き無垢の朝 翠風
悴む手絵馬に進路の夢を記す 葉苗
生り年の軒に広がる柿簾 紅蓼
年新た汽笛尾を曳く船溜まり 毬衣
寒風を背中で耐えて待つ始発 直子
共白髪旅懐かしむ燗の酒 藍
羽根つきの音の聞こえず街眠る 弘美
はにかみし赤き振袖成人日 百合花