祈り虫雌雄の性の虚しき死 宇宙船衆目集め秋天へ 永らえて行く先憂う木の葉髪 秋の景ケーブルカーの視野豊か 秋旱村碑を晒すダムの底 蓑虫の声なき声を風に聴く 豪雨去り突如儚き秋の虹 お握りを頬張る園児秋うらら 捨て難き思い出数多秋灯下 天気図の乱れ暴風秋攫う 北斗星仰ぐ秋夜の旅枕 茸飯遺影に供う記念の日 初しぐれ体調憂う独りの夜