蟻塔会は大正15年10月、塩田紅果師が東京で①「真正感覚俳句の確立」と②「新派蕉風(正風)俳句」の普及を図る目的で創設した俳句結社である。
その理念は「俳句は17文字を通じて作者の人間生活に対する意識、即ち知識・感情・意志を象徴した一種の芸術でなければならない。その俳句の作り方は句材を自然界の外的事物及び人間生活の客観的態様に広く求め、鋭敏な感覚で細かく観察し、それを描写、表現する中に作者の感情の思索が強く響いているようなものにするべきである。」また、「松尾芭蕉翁の精神と蕉風俳句(正風俳句)の現代的継承と新鮮な感覚による自然と人間の探求」である。
その理念、考え方を解り易く箇条書にしたのが「蟻塔会のこころ」である。この理念に賛同する同志を集め結成したのが蟻塔会であり、昭和2年創刊された俳誌が「蟻乃塔」で、2022年創刊93年年目を迎えた。戦時中以外、昭和20年から一度も休刊していない。