夏嵐地震の地煽りシート舞う 瑶星
物価高止める術なきメーデー歌 真帆
ビルの間の早苗生命を漲らす 美智
廃屋の軒に姦し燕の子 楊花
己が身を流れにまかす花筏 紀歩
清明の足裏に伝う地の起伏 桂花
雛の壇飾り遠くの孫想う 紫芳
晩節の徒食を恥じる日の永き 季瑛
蛍烏賊神秘の光り明滅す 四葩
復興へ埠頭に夏の人の波 千鈴
補欠選政権憂う春の冷え 百花
マニュキアの遠き日の色桜貝 千代
ボール追う麗らかな空部活動 進太郎
夕間暮れ二羽寄り添いて残る鴨 双葉
花冷ゆる病みに臥す子の明日案ず 佳歩瑠
天主堂ミモザ抱く女跪く 茂子
一瞬に音なく牡丹崩れ落つ 野乃花
再びの命滾らす花楓 弘美
春疾風新入幕の賜杯抱く 律子
終わりなき戦禍の恐怖春寒し 千代子