文道の祖・菅原道真公を奉る長岡天満宮は、平成二十八年に始祖中小路宗則翁千百年祭が行われた由緒ある天満宮である。 境内は二万余坪の景勝地を有し、梅園はもとより「きりしまつつじ」は樹齢百五十余年を経て、国内随一といわれている。その参道に面して、前主宰塩田薮柑子先生の「文道の宮の余光につつじ燃ゆ」と現主宰塩田里美先生の「風韻に心耳を澄ます梅の宮」の夫婦句碑がそぼ降る小雨の中、白入れの文字も鮮やかに静かに鎮座していた。建立二十三年を経て、薮柑子先生が献木された楓も成長し、歳月の流れを感じる一日であった。 2022年11月29日 平沢寥茶 記