空家増え淡立ち草の群れる郷 青果
草の絮風に委ねて今日を生く 紀歩
面を打つ声裂帛の寒稽古 雅彦
楓燃ゆ破帽を偲ぶ赤煉瓦 真帆
草の実を付けて一日(ひとひ)の労終える 梅香
陰陽師祀る石塔枯れ葛(かずら) 相月
祖の土地を守り幾年木の葉髪 楊花
秋高し若き息吹の駅伝路 花楓
山柿の熟れて父母なき本籍地 希瑛
漆職継ぐ半島の冬深し 千鈴
一発の猟銃音に街沈む 葉苗
産廃の処分に揺れる里の霧 琴音
紺碧の空に際立つ白芙蓉 佐喜子
観月に古人偲ばる笛の音 巴
刈り田跡米価の行方定まらず 百花
今年米銘柄揃う道の駅 千代子
九月場所押し金星に声高し 咲桜里
陽の恵み一身に受け茄子の艶 里乃花
一秒に賭ける駅伝冬日和 佐和江
入相の余韻に浸る紅葉宿 藍