新駅の開業テープ春暉満つ 雅彦
五月晴れ地震の里充つ感謝の輪 義景
冴え返る災害塵(ごみ)の寄せる浜 青果
埋め立てに揺る新基地の南風の島 相月
グランドに青春刻み卒業す 花楓
断層のひずみの不気味春の地震 真帆
惜春の学舎に別れ告ぐ校歌 琴音
せせらぎの音高なりて春闌ける ふみへ
青春の追憶手繰り春惜しむ 柊花
鳥帰る災禍の村に声落とし 希瑛
為政者のモラルに憤(いく)む年始め 勝子
織の町筬音消えて春寒し 美智子
公助自助絆で生きる辰(たつ)の初春(はる) 國子
雇用生む企業誘致に春温し 葉苗
周航の果てし埠頭に春惜しむ 毬衣
地震禍に産声高く春を呼ぶ 和子
捜索を余震の阻む寒き春 瑞木
冴え返る心疲弊の避難民 洋子
葉桜の疎水公演泰らげる 黄葉
雛祭りたった一人の童唄 礼子