冱て厳し金権政治底知れず   寥茶

大地震に失せし朝市風疼く   照葉

逝きし日を心に刻む冬花火   美智

廃線の決まりし里輪山眠る   青果

岩礁の隆起に曝ぜる波の花   相月

神気満つ龍伝説の冬の滝   花楓

冬怒濤半島襲い町沈む   楊花

断層の潜む半島根雪積む   真帆

冬岬地割れが走り人寄せず   梅香

薄日得て戦慄(わなな)き歩む冬の蜂   紀歩

激甚禍余震の絶えぬ松の内  翠風

新駅の発車メロディー春弾む   一葉

潮騒を聞きつ偲びぬ憂国忌   四葩

天守閣臨む城下の寒桜   葉子

里山の鈍色変える芝桜   昭子

天守閣レンジャー隊の煤払い  野乃花

鴨飛来波紋華やぐ小さき池   直子

戦禍の子聖歌届かぬ暗き部屋   良子

晴天の放射冷却息白し   佐喜子

寒天の被災地へ急く支援の手   恵華

投稿者

kotetsu

蟻塔会同人

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