大寒波節電煽る原油高 寥茶
生気秘む冬木桜の幹の艶 相月
雪下ろし結いの心の生きる村 梅香
孤立する限界の村雪風巻く 真帆
過疎進む泡立ち草の闌ける里 青果
病窓の朝明け揺する初雀 桂花
感染の鶏舎の処分空冱てる 蓼花
書店閉づ学生街の冷え厳し 楊花
初雪を乗せ出航す定期便 清影
灯油缶並べいよいよ冬用意 紫芳
和紙の雛城主の令の脈脈と 一葉
磨崖仏濃淡紅葉侍らせて 國子
寒風に木立の尖る獣道 ふみへ
幾何模様綾なし凍つる池の面 睦月
お降りに鎮守の森の深き黙 千鈴
モノクロの里に華やぐ冬の虹 紅蓼
原油高約し生活の年の暮れ 紫野
防衛の強化舵切る凍てし夜 葉苗
竜胆に母の面影追う狭庭 良子
鏡文字跳ねる賀状の愛おしき 藍